自民党幹事長、二階俊博総務会長が起用されるワケ 「先読み」の政治的嗅覚
3日の内閣改造・自民党役員人事で、党幹事長に二階俊博総務会長(77)が起用される。決め手となったのは党重鎮としての高い調整力とともに、節目ごとに安倍晋三首相を支える姿勢を鮮明にする「戦略的互恵関係」。二階氏は選挙や国会対策にも通じたベテランだが、辣腕が逆に党内の混乱を引き起こすリスクも抱える。
「二階氏とは戦略的互恵関係だ」。首相は決断の理由を周囲にこう漏らした。歴史認識問題などの懸案を抱えながらも日中関係の発展に向け首相が唱える「戦略的互恵関係」を、二階氏との関係になぞらえた。
首相はこれまで、けがで入院中の谷垣禎一幹事長(71)の続投にこだわってきた。安心して党運営を任せられる存在だったからだ。一方の二階氏は憲法改正では慎重姿勢が目立ち、首相とは政治手法も異なる。
「党三役としてことあるごとに(谷垣禎一)幹事長と相談してきたので、その延長線上に考えていきたい」。1日、官邸で首相と会談後、記者団にこう語った二階氏には首相の思惑を「先読み」する政治的な嗅覚にも定評がある。首相周辺も「打ち合わせてもいないのにピタリと合わせてくる」と舌を巻くほどだ。
平成27年9月の党総裁選で、他派閥に先駆けて二階氏率いる二階派は首相の再選支持を表明し、無投票再選の流れをつくった。先の参院選後には30年9月に切れる首相の党総裁任期の延長も「検討に値する」といち早く容認。「一番やり」を務めることで政権内での存在感を高めてきた。
秋の臨時国会では憲法改正の議論などが待ち受ける。10月には衆院補選もある。首相は憲法改正に慎重な公明党と太いパイプを持つ二階氏に政治手腕を発揮してもらい、政治課題を乗り切る考えだ。
一方、二階氏は5年に自民党を離党し、新進党などで小沢一郎氏を支えた過去があるが、復党後は要職を歴任。首相との距離を縮めることで発言力を高め、二階派の勢力拡大につなげている。野中広務元幹事長の復党を主導し、無所属の長崎幸太郎衆院議員らの復党も求めてきた。党内からは早くも「二階氏に関係する人は全員復党だ。影響力は谷垣氏よりも大きい」(細田派幹部)との懸念も漏れる。これに対し、政権関係者は「首相が強い求心力を維持していれば、二階氏を御することはできる」と指摘する。
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