選挙戦の疲れ? 自らの声を気にして「次回はもう少し良い声で」

小池都知事始動・就任会見詳報(4)完
記者の質問に答える小池百合子都知事=2日午後、東京都新宿区(山崎冬紘撮影)

 《午後1時半から始まった小池百合子都知事(64)の就任会見は報道陣との質疑応答が続いている。東京五輪・パラリンピックをめぐる調査チームや東京のブランディング戦略などに関する質問が相次いだ》

 --五輪調査チームの件で、並行して事務レベルでの費用負担割合の3者協議が続いていると思うが、そこでのお金の見直しなどと今回の調査チームとの整合性について伺いたい

 「今回の東京都政改革本部というのは、あくまでも都政という観点からのものでございます。そしてその下部に、オリンピック・パラリンピック調査チームということになります。これは都が負担するオリンピック・パラリンピックの予算、それはすなわち、もっと大きなオリンピック・パラリンピック全体の予算が小さくなれば、その分、分担にもよりますけれども、その部分が縮減される可能性もある。ですから知事としては、両方に声を出していきたいと思っておりますけれども、都政改革本部というのは基本的には都が負担する部分についてのチェックをしていくことになろうかと、このように思います」

 「それからいずれにしましても、オリンピック組織委員会、それから国、政府、文科省にオリ・パラ担当の大臣、そしてまたJOC(日本オリンピック委員会)、そして都ということで基本的には4者、この連携を良くしていくことによって、その連携を良くすることがすなわち、無駄に、無駄って言ったらまた誰かが怒るかもしれませんけれども、それを省いていく。重ならないようにしていくことが重要かと思っています」

 《五輪にかかわる大物政治家を頭に浮かべたのだろう。「また誰かが怒るかも」と発言しながら、苦笑いする小池氏。続けて「すでに気がついたこと」として、五輪に関する課題を指摘する》

 「例えばボランティアの募集もそれぞれが別々にやっていて、何か別々のユニホームとか何かがあって、何か一体感がないように思うんですよね。それなんかも例えば一体感をもたらすことによって、国民や都民にメッセージがより伝わりやすいし、それからその関連する予算についても無駄がないのではないか。別々にやった方がいいというアイデアもあるでしょうけれども、私これ、改めてそれこそ調査チームでチェックしていただきたいと思っておりますけれども、ダブりを省くことっていうこと、そのことを徹底していくことによって、事務負担の軽減であったり予算の軽減につながるという風に思っております」

 --フランス・ルノーの社外取締役のポストは今後どうするか

 「そのポストはもうすでに辞任をしております」

 --東京五輪・パラリンピックを控え、東京のブランディングで戦略や考えがあればお聞かせください

 「はい、ありがとうございます。成長戦略の一つだと思います。そして私自身、選挙中にも訴えをさせていただいたんですが、東京のブランディングを徹底してやっていきたいと考えております。東京にいるとですね、かえってどこが宝物か分からないかもしれません。そういう意味では、それこそ海外の目も含めてですね、ブランド、宝物をまずあぶり出していく、具体的には切子とかですね、それから繊維などもそうであります。そういった物品のみならず、お祭りなどもそれに入るんではないかな、おみこしを担いだりとか、それを総合的にブランディングしていきます」

 《フランスの高級ブランドなどが参加する「コルベール委員会」という組織を、「本を書こうと思っていたくらい」研究してきたと明かす小池氏。得意分野に関する質問に、小池氏の説明はこれまでよりも一層冗舌になった》

 「私はぜひ、都の改革委とは全く別に行政の観点から、この宝物探しということをやって、それをいかにして対外的に発信をするか、付加価値をつけて発信をしていくか、ブランディングというのは付加価値をつけるということですので、そのことをぜひいろんな方のアドバイスを伺いながら進めていきたいと思います。その心は、江戸切子もさることながら、そういった伝統文化、東京にもたくさんございます。それを担っている方をずいぶん私も存じ上げているわけでございますが、問題は跡継ぎがいない、その後を継承する方々がだんだんいなくなって、技の継承がうまくいっていないということでございます。そういったことから、名称はともかく、東京ブランディングのための委員会を、委員会であり組織を、私自身とりあげて、そして東京のブランディングをですね、世界に知らしめると。これは東京オリンピック・パラリンピックと平行する形で、お互いが補完する形で進めていけば相乗効果につながるのではないかと思っております」

 --五輪組織委員会と国とどう具体的に連携を取っていくつもりなのか、プランがあれば教えていただきたい

 「まださわりの部分しか、私オリンピック・パラリンピックの全容をつかんでおりません。そしてまた、役割分担についてはすでに仕分けはされております。そういう中で足りない部分は東京都といわれても、なかなか都民の皆さまのご理解を得た上でないと、必要なことは東京はホスト・シティーでございますから、それに対して応えていくということもございますけれども、アカウンタビリティー(説明責任)が求められますので、今それを私自身の中で咀嚼(そしゃく)しながら皆さま方へのプレゼンテーションをしっかりしていきたいと思っております。その上で、それぞれ役割分担がある中ではございますけれども、意思の疎通を良くするということでございます。疎通がうまくいかなければ、その分労力であるとか、お金であるとかダブりが出てしまうということは大変恐れていることでございまして、その点については私は都を代表する形でコミュニケーションを取らせていただいていきたいと思っております」

 「すいません。まだ声がこんな形で。次回はもう少し良い声にしたいと思いますので、本当に皆さんどうぞこれからよろしくお願いいたします」

 《司会者が質問の打ち切りを告げると、小池氏は報道陣に向かって笑顔で会釈し、会見場を後にした》

=完