個人消費の底上げ不透明 農林中金総合研究所・南武志主席研究員
財源問題がネックとなって、インフラ整備中心の財政出動になったため、アベノミクスの再加速に必要だった個人消費を盛り上げる効果が見えにくい。インフラ整備も例えば大都市部の交通インフラ整備といった内容であれば個人消費の呼び水になるが、実際に盛り込まれた農林水産物の輸出基地整備などでは即効性のある景気浮揚にはつながりにくい。
事業費には国や地方自治体の支出だけでなく、政府系金融機関の低金利融資などを受けて企業が支出する額も含めたが、日銀のマイナス金利政策による利ざや縮小で厳しい民間金融機関を圧迫する懸念がある。
こうした点を勘案すると事業規模通りの効果が得られるかは疑問だ。
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