「経験」のクリントン氏と「怒り」のトランプ氏が激しい応酬 第1回直接対決、米国民の審判は…
米大統領選米大統領候補による第1回討論会は、民主党のヒラリー・クリントン氏の豊富な「経験」とドナルド・トランプ氏の既成政治家に対する「怒り」がぶつかり合った。米国民はどちらに信頼を寄せるか。全3回の討論会は岐路に立つ米国の針路を決める戦いとなる。
クリントン氏は深紅のパンツスーツ姿で登場すると、トランプ氏と握手を交わし、「お元気? ドナルド」と笑顔を浮かべた。トランプ氏はトレードマークの赤ではなく民主党のイメージカラーである青色のネクタイで見た目は落ち着いた印象を演出した。
しかし、討論が始まると互いにクリントン氏の私用メール問題、トランプ氏が納税証明書を提出していない問題を批判し合うなど、相手の発言を許さない激しい長広舌の応酬となった。
「ドナルドは米軍最高司令官には不適任だ。私たちが直面する脅威を理解している人はそう言っている」
クリントン氏はこう述べ、外交、安全保障に関する知見に欠けるトランプ氏には大統領になる資格はないと断じた。
これに対し、トランプ氏は「クリントン氏が経験があるといっても悪い経験だ。悪い経験を今後4年間、続ける余裕はない」と反論。オバマ政権で国務長官を務めたクリントン氏を非難した。中国やイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の台頭、北朝鮮による核実験などを挙げて、「オバマ-クリントン」路線で世界は不安定になったという主張だ。
会場となったニューヨーク市郊外、ホフストラ大学のキャンパス周辺は物々しい警備によって交通が遮断され、会場では約1千人の支持者や学生が「世紀の討論」を見守った。
クリントン氏がトランプ氏に苦戦を強いられているのは、私用メール問題などで約6割の有権者が「信頼できない」としているためだ。クリントン氏がトランプ氏を振り切るには、今後2回の討論会でも信頼性を証明し、サンダース氏の若い支持者、無党派層、第三党支持者を取り込むことが必要となる。(ヘンプステッド 加納宏幸)
▽米大統領選「世紀の討論会」始まる クリントンVSトランプ、初の直接対決
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