日銀総裁、保護主義を懸念 「成長を減速させる」 米国の経済政策注視
金融政策決定会合のため、日銀本店に入る黒田総裁=31日午前
日銀の黒田東彦総裁は31日、金融政策決定会合後に記者会見し、トランプ米政権の誕生や英国の欧州連合(EU)離脱など保護主義的な動きが世界経済の成長を減速させる懸念があると警戒感を示した。米国経済の動向を海外経済のリスク要因の一つに挙げ、国際金融市場に大きな影響を与える米国の経済政策を引き続き注視していく姿勢を強調した。
トランプ氏の政策運営を巡っては、米国内での減税やインフラ投資への期待が先行し世界的に株価が上昇している。一方で、イスラム圏7カ国からの入国禁止や環太平洋連携協定(TPP)離脱など保護主義的な政策に対する警戒感も広がっている。
黒田氏は会見で、米政権の政策について「具体策がはっきりしない」と断った上で「一般的に、保護主義的な政策は世界経済の成長を減速させる懸念がある」と述べた。
一方で、減税やインフラ投資が経済成長率を押し上げるとし「世界的に保護主義が強い形で広がる可能性は少ない」とも語った。
今春闘に関しては雇用情勢の改善などを挙げ、企業に賃上げを求めた。
日銀は決定会合後に公表した「経済・物価要請の展望(展望リポート)」で2017年度の経済成長率の見通しを従来の1・3%から1・5%に引き上げた。黒田総裁は「海外経済の上振れや円安方向への動き」を理由に挙げた。
17年度の物価上昇率は従来の1・5%のまま据え置いた。日銀は物価の上昇基調は変わっていないと判断し、短期金利をマイナス0・1%、長期金利は0%程度に誘導する現状の金融緩和策を賛成多数で維持した。
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