トランプ大統領 オバマケア代替制度に言及 基本方針を提示 民主党の反発必至 問われる実行力

 
就任後初の施政方針演説を終え、笑顔を見せるトランプ米大統領(左)=2月28日、ワシントン(UPI=共同)

 【ワシントン=小雲規生】トランプ米大統領は施政方針演説で、医療保険制度改革(オバマケア)撤廃と代替制度の基本方針を示した。オバマケアの下で提供される医療保険のコスト上昇への対応などが狙いだが、民主党の反発は必至であることに加え、共和党内の結束が実現するかも不透明で、今後は実行力が問われることになる。

 「崩壊している」とトランプ氏が演説で主張したオバマケアは2010年に関連法が成立。個人に保険加入を義務づける一方、政府が補助金を出し、保険購入のためのオンライン市場も設立した。無保険者数は12年の4800万人から15年には2900万人まで減った。しかしオンライン市場で提供される保険の料金は17年に前年比で25%上昇する見通し。加入者が負担する医療費の上限も15%上がるとの試算もある。

 トランプ氏は演説で「選択肢を広げ、アクセスを増やし、コストを下げる改革」を唱え、オンライン市場で提供される保険の種類を増やし、保険料の水準も下げると強調。医薬品価格引き下げや、メディケイド(低所得者向け公的医療保険)の柔軟運用などを通じて、保険に加入しやすくする方針も示唆した。

 ただし、トランプ氏は減税措置などを通じて「米国民の医療保険購入を支援すべきだ」とも述べ、公的支援を通じて無保険者を減らすというオバマケアの理念には理解を示した。病歴があっても保険に加入できるオバマケアの“長所”も維持するとしている。

 トランプ流の保険制度改革も内容次第では無保険者が増えるリスクがあり、民主党は慎重だ。演説会場にいた民主党議員の一部はトランプ氏がオバマケアに触れる度に、親指を下に向けて不満の意を示した。

 共和党は代替制度法案を検討中だが、トランプ氏が言及した減税措置による保険購入支援は、歳出拡大につながると否定的な声も多い。現在のオバマケアに問題点があることは民主党も認めている。しかし、代替制度について一致点を見いだせなければ、問題が放置されたままオバマケアが存続する懸念もありそうだ。