このような調査結果に接して深刻な危機感を抱いたのは共産党の最高指導部であろう。そのままでは体制の崩壊はもはや時間の問題だ。現在の胡錦濤政権は10年前に誕生した当時から「協調社会建設」の目標を掲げて何とか格差の是正をやろうとしていたが、10年たった今、それが完全に失敗に終わっている。ならば来月に誕生する予定の習近平政権には果たして、「仇富・仇官」を解消するための妙案があるのかといえば、それがまた疑問だ。
もし習近平政権が今後、「仇日」を煽(あお)り立てて国民の恨みの矛先を「外敵」へと向かわせるようなことがあれば、われわれ日本にとって、甚だ迷惑なことになる。
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【プロフィル】石平
せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。