問われる日本のLNG戦略 東南アジア拡大、一大市場形成の機運 (4/4ページ)

2012.11.6 08:00

 日本も独自LNG市場創設を模索

 LNG取引は国際メジャー数社が仕切り、価格が下がりにくい構造にある。だが、中国やインドなども含めたアジア各国・地域がLNGの一大消費地となれば取引業者の新規参入も見込め、原油のような市場メカニズムで高値に風穴を開けることも不可能でない。調達手段の多様化は日本にもメリットになる。

 もっとも、シンガポールの動きを日本が黙って見過ごすわけにもいかない。シンガポールのLNG取扱量は当面、タンク2基分の年間350万トンにとどまり、2011年実績で20倍超の約8000万トンを輸入する日本の優位性は明らかに高い。

 ただ、日本は電力会社やガス会社、商社などがバラバラに調達し、十分な価格交渉力を発揮できずにいる。

 日本政府は9月、生産国と消費国が話し合う初の「LNG産消会議」を東京で開き、枝野幸男経済産業相がLNG先物市場の創設を宣言した。実現すれば、一層の価格引き下げが期待できるものの、日本は輸入先との長期契約を多く抱えることから、具体化には至っていない。

 石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之上席エコノミストは「価格交渉を考えても、日本がアジアのLNGハブを形成するメリットは大きく、開発権益の取得など地位向上につながる多角的な取り組みの強化が欠かせない」と指摘している。(吉村英輝)


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