すり鉢状の採掘場は深さ500フィート(約150メートル)。見下ろす岩盤がまさにレアアースの鉱床だが、すぐにレアアースそのものが掘り出せるわけではない。
鉱石にはレアアースと不純物が混じり合っている。採掘した鉱石は近くの施設に運ばれ、「破砕や最新技術による複雑な工程を経ながら純度を高め、各種のレアアースに精製される」(スミス工場長)。そのためのプラントが敷地内に点在し、レアアースの精製が想像以上に大がかりであることが肌で感じとれた。
実際に、レアアースの一つのネオジムを指でつまむと、鉱物というよりも、きな粉のような触感だった。
レアアースの精製には大量の水が必要だが、かつて環境汚染を招いた教訓を生かし、処理水を敷地内で再利用するなど、「環境と安全に配慮した操業に努めている」とスミス工場長。常勤作業員で約400人、建設作業員を含めれば1300人超が汗を流す現場は、活気に満ちていた。
マウンテンパス鉱山の歴史は古く、操業開始は1952年にさかのぼる。この鉱山で精製されたレアアースは世界各国のカラーテレビの素材に使われるなど、一時は世界の需要をほぼ一手に担うほどの隆盛を極めた。