【アジアの目】
オーストラリアへの日本人観光客の減少に歯止めがかからない。豪航空大手のカンタス航空は先週、同国では観光インフラに対する投資が絶対的に不足していることなどを挙げ、今後もこうした傾向は続くと懸念を示した。こうしたなか、オーストラリアでは中国の天安門の実物大レプリカを含むテーマパークを建設する計画が浮上、中国人観光客の取り込みに力を入れる姿勢をみせている。
10年間で半減
オーストラリア政府の観光予測委員会(TFC)によると、日本からの旅行者数はこの10年間、年平均6%ずつ減少。2000~01年に72万4000人だった短期旅行者(ビジネス含む)は、09~10年に36万4000人まで減少、10年~11年もほぼ同数となっている。TFCは18年以降、若干伸びるものの、20年に37万8000人程度となるのが精いっぱいと予測している。
こうした状況に危機感を募らせているのが、カンタス航空だ。同航空は先週、国際航空サービス委員会(IASC)に提出した文書のなかで、日本人旅行客の減少が続く原因について、「オーストラリアにおける重要な観光インフラ整備のための投資が絶対的に不足している」として、国を挙げた取り組みを求めた。