さらに、文書では、とくに日本を含むアジア地域で、格安航空会社(LCC)の参入が相次ぎ、日本人にとっても域内の旅行先としてオーストラリア以外の選択肢が増えたことで、オーストラリアにとっての競争相手が激増したことを挙げている。
観光客の減少を受け、カンタス航空は今年、東京-パース便の運航を中止し、さらに東京-シドニー間もジャンボジェットB747型から中型機のA330への変更を余儀なくされた。
カンタス航空では、同社の子会社であるジェットスター航空の活用で、こうした苦境を乗り切る構えのようだが、絶対数の減少に歯止めをかける妙案は容易にはみつかりそうもない。
テーマパーク建設
日本人と対照的に、今後も増加が予想されるのが中国人旅行客だ。もともとオーストラリアは、中国系移民が多いうえ、経済成長もあってこの10年のオーストラリアへの中国人旅行者数は、00~01年に14万3000人だったのが、10~11年には50万人と日本人旅行者数を上回った。20~21年には年間100万人を超えると予測している。これに香港からの旅行者数を加えると、120万人を超える。