ここでちょっと気になる話がある。生産年齢人口と非生産年齢人口の比率、つまり1人のお年寄り・子供を何人の現役世代が支えているかを示す数値の話だ。比率が高いほど現役世代が多く、日本ではバブル期に約2・3人で1人を支えるピークを迎えた。
問題は、比率がピークになる時期と資産バブルが頂点を迎える時期がほぼ一致することだ。米国では00年代後半に比率がピークを迎えた。同じころサブプライムローンによる住宅バブルが生じ、リーマン・ショックにつながった。経済危機にあるスペインなども同様だ。
日銀の西村清彦副総裁が度々指摘する現象で、金融危機の多くが人口動態の転換期近辺で発生している。
バブルの生成と崩壊には金融政策や土地政策など多くの要因があり、人口動態との因果関係は明確ではない。しかし、総人口に占める勤労世代の割合がピークに向かう過程で経済の先行きに過度の楽観主義が広がり、バブルにつながる可能性はあるという。
気になるのは今後だ。このところ地価高騰が懸念される中国では15年に労働人口が減り始める。その際、日米などと同じ道をたどることになれば、その影響は世界全体に及ぶ。人口動態の変化は世界経済の大きなリスクになると認識することが肝要だ。(経済本部部長・長谷川秀行)