中国メディアが「第2のペルシャ湾」と呼ぶ南シナ海で、海底数千メートルの深海油田開発には、どうしても最新技術の導入が必要だったからだ。ベトナムやフィリピン、ブルネイやマレーシアなどと領有権を争いながら、南シナ海のほぼ全域を自国領だと主張している中国。中東やアフリカ、南米に頼らずとも「自国領内」でのエネルギー供給源確保が、国家戦略として最優先課題と考えている。
中国共産党は12年11月の党大会で「海洋強国の建設」を目標に掲げ、同大会で総書記に就任した習近平氏が率いる新指導部は、12月の中央政治局会議や今月10日の全国海洋工作会議で「海洋経済の発展」を訴えた。
欧州や日本向けなど輸出鈍化で成長スピードに陰りが出始めた国内総生産(GDP)を、海洋の資源開発などで補うとともに、領有権の主張や海域の実効支配、さらにエネルギーや漁業など海洋権益を独り占めする狙いが見え隠れする。中国のGDPに対するエネルギー、造船、観光など海洋関連の経済活動の寄与度は、2000年の約3%から11年には10%近くに拡大した。都市開発やインフラ建設が頭打ちになるころには、海洋経済が「次なる成長の牽引(けんいん)役」になりそうだ。