ヤフーは昨秋、金融事業への参入に向けて本格検討に入り、昨年12月にサイバーエージェントから210億円でFX子会社を買収することで合意。今年1月末に手続きが完了し、SBIグループなどで金融業の経験がある伊藤氏が社長に就任した。
業界関係者からは「大きな『メディア』であるヤフーの参入はFX業界として衝撃で、他社にとっては大きな脅威だ」との声も上がった。
サイバーFXは、買収決定後の昨年12月中旬からキャッシュバック、今月4日からはヤフーのサービスに使えるポイントもプレゼントするなど、ヤフーとの連携キャンペーンを相次いで実施。株価や企業情報などを配信する「ヤフー!ファイナンス」とも連携させ、大手の安心感を背景に未経験者をFX投資に呼び込む戦略だ。
楽天証券もテコ入れ
FX市場は足元、再び活発化している。東京金融取引所のFX「くりっく365」の1日平均の取引数量は、1月に30万6525枚(1枚は最低取引単位)と、前月より6割近く増えた。昨夏から秋にかけては為替相場の動きが小さく、売買高が低空飛行を続けていたが、11月中旬から始まった「安倍相場」で状況が一変したからだ。実際、首位のGMOクリック証券の1月の売買高は、前月の2倍超の68兆円に増えた。