こうした追い風もあって、新生・サイバーFXの滑り出しは順調なようだ。ヤフー傘下として再スタートへの“助走”に入った今年1月、売買高は前月の約2倍に膨らみ、2月1日時点の預かり資産残高が600億円を突破した。
一方、活況に合わせたタイミングで再始動したのが、こちらもIT業界の雄、楽天傘下の楽天証券だ。昨年11月上旬の中間決算説明会で楠雄治社長は自社のFX事業の低迷を嘆き、「新サービスでFXをテコ入れする」と強調。今年1月には「新楽天FX」を始めた。
新サービスでは自前のシステムを稼働させるとともに、為替取引も社内のチームで行うようにし、「迅速なサービスに対応できるようにした」という。楽天もヤフーと同様、数千万人規模の「楽天市場」のネット利用者を抱えており、強固な顧客基盤を活用してFX事業の拡大を狙う。
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「安倍相場」で活況 再び淘汰・再編も
ネット大手2社の本格参入によって競争が激化するFX市場で、今後の鍵を握りそうなのが、スマホを通じた取引だ。関係者によると、FX取引全体に占めるスマホ経由の割合は1年前は1割に満たなかったが、足元では3割程度まで上がってきたからだ。