日本政府が円借款で拡張を支援するモザンビークのナカラ港【拡大】
モザンビークでは、日本政府がブラジル政府と共同で、サバンナを農地に変えて大豆やゴマを生産する農業開発事業が始動。将来的にはナカラ港に穀物を貯蔵するサイロやターミナルを建設し、食糧自給と農産物や加工品輸出による雇用創出につなげる計画だ。
ナカラ港が拡張されれば新日鉄住金が探鉱を計画している同国西部のテテ州の原料炭開発の輸出拠点としても活用できる。さらに、同国北部では三井物産などが参画する液化天然ガス(LNG)開発プロジェクトが進み、これに伴いガスを原料とする肥料工場も検討されており、農業への波及効果も見込める。
一方、ブラジル資源大手のヴァーレなどは15年をめどに、テテ州で進める石炭開発に伴う鉄道新設・改修事業を推進。また、隣国ザンビアなどとの貿易促進を狙い、国際協力によって鉄道や道路などのインフラ整備を進める「ナカラ回廊」の計画も進んでいる。ナカラ港拡張と同回廊が整備されれば、これまでザンビアから南アフリカ経由で輸出していた銅などの資源はモザンビークから輸出可能となり、域内貿易も活性化が期待できる。