気温は零下5度、いてつく吹きっさらしの路上で、ひたすら土下座の姿勢で喜捨をこう老人もいる。
中国の都市では、社会のセーフティーネットに引っかかりもしないのであろう人々が目につく一方で、新たな富裕層の姿も際立っている。
知人の中国人女性が大学生だった数年前、官僚を父親に持つ「官二代」の男友達2人と遊びに行ったときのこと。2人は白と黄色のランボルギーニに分乗して迎えに来て、街中でたいそう人目を引いたそうだ。「結局、親の肩書は頑として教えてくれなかったけど」とその女性。
ガルウイングのイタリア高級スポーツカーはさすがに目立つが、ベンツやBMWなどの高級車は、北京の街中では珍しくもなんともない。とても自分で稼いでいるようには見えない、若いお兄さんやお姉さんたちが、普通に乗り回している。
社会格差は拡大する一方なのだが、「社会主義や共産主義はどうなった」とか、野暮なことをいう人は周りにいない。