銀座の高級クラブが立ち並ぶ一角はにぎわいが戻ってきた【拡大】
高級腕時計や宝飾品などの高額品消費を呼び込んでいる安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の効果が、東京・銀座など夜の歓楽街にも波及してきた。老舗すし店や高級クラブに客足が戻り、タクシーチケットも復活の兆しがみえる。ただ、足元で乱高下する株価と同様、安定した回復局面とまではいえず、大多数の飲食店は、かつてのにぎわいとはほど遠く、依然厳しい実情も垣間見える。
8万5000円のボトル
「シャンパン、ありがとうございます!」。ホステスの声とともに、店内に拍手が鳴り響いた。東京・銀座7丁目の高級クラブ「クラブ 稲葉」。3人のホステスに囲まれた男性の席に、1本8万5千円のボトルが運び込まれた。
ママの白坂亜紀さんは「ワンランク上のボトル注文に、躊躇(ちゅうちょ)しないお客さまが増えた」と風向きの変化を感じとる。昨年までは2次会需要が売り上げの柱だったが、今年は午後11時を過ぎてからの3次会需要も復活。「他のクラブに『いってらっしゃい』と送り出す回数も増えました」と話す。