政府は7日、長期的な知的財産戦略の方向性を示す「知的財産政策に関する基本方針」を閣議決定した。企業の研究者らが発明した「職務発明」について、特許権の帰属を従業員側から企業に移すことを検討する方針を盛り込んだ。企業が国内で研究・開発(R&D)投資をしやすくする狙いだが、海外に優秀な研究者が流出する恐れもある。
山本一太科学技術担当相は同日の閣議後会見で、「経済成長に結び付くような形で抜本的に変えたい」と述べた。
現行の特許法で、特許権は発明した従業員に帰属するが、企業に譲渡するなどした場合は「相当の対価」を受け取ることができる。
基本方針は職務発明制度について「抜本的な見直しを図り、(特許権は)法人帰属または使用者と従業者との契約に委ねる」と明記。見直しにより、企業が安心して研究・開発投資をできる環境をつくり、研究・開発拠点の海外移転を防ぐ考えだ。