ほぼ右肩上がりだった株価が乱高下の局面に突入したのは、戦後11番目の下落幅(1143円安)を記録した5月23日から。前日に米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が量的緩和の縮小に言及。中国の経済指標が悪化したことも材料に世界的な株安を招いた。同日からの14営業日中、11営業日で1日の値動きは300円を超えた。
乱高下の主役とみられているのが、海外ヘッジファンドなどの投機筋だ。彼らは現物株ではなく、先物取引の一種である株価指数先物に買いを膨らませてきたが、3カ月ごとの清算日にあたる今週末を前に一段と売りの姿勢を強めている。
指数先物が下落すると、指数を構成する現物株も売られ、売りが売りを呼びやすい。割安感が強まれば、今度は買いの連鎖が来る。しかもヘッジファンドなどは、コンピュータープログラムを駆使する千分の1秒単位の超高速取引を行う。長期的に株が上がるかに関係なく、利ざやを稼ぐことを狙う超高速取引は、相場の方向感を失わせやすい。