分野ごとに攻守入り乱れ
TPPは関税撤廃が原則ではあるが、各国とも保護したい分野を抱えているのが実情だ。
日本は(1)コメ(2)麦(3)牛・豚肉(4)乳製品(5)サトウキビなど甘味資源作物-の重要5分野を関税撤廃の例外とすることを目指している。牛肉や乳製品に強みを持つオーストラリアとニュージーランドは関税撤廃を迫るが、米国は砂糖、カナダも乳製品の関税維持を狙っているとみられる。
これに対し、自動車の関税撤廃は日本にとって輸出増を後押しする「攻め」の分野。だが、米国やオーストラリアは関税維持を主張している。TPP交渉参加への支持を取り付けた際の日米合意では乗用車やトラックの関税撤廃を猶予することで譲歩しており、オーストラリアも同様の対応を求めてくる可能性は大きい。
分野によって複雑に攻守を入れ替える関税協議は、2国間協議を軸に進められ、この場で積み上げられた結果が全参加国の交渉のテーブルにのせられる見通しだ。日本は2国間協議を重ねる中で、どの国と、どの分野で共闘するかを見極めることが不可欠となる。(本田誠)