財閥改革も手つかず
言い出したことを絶対に引っ込めないのが朴氏の真骨頂だったが、実はもう一つの約束だった財閥優遇の見直しについても、朴氏の信念は空回りしている。
朴槿恵大統領は「経済民主化」として財閥の既得権を制限し、中小企業の育成に努める公約も示していたがいまだに財閥既得権には切り込めていない。その代わり、8月、財界トップを青瓦台に招いての懇談会の席上、財閥側は、30大財閥で155兆ウォンを新規投資する計画を提示。財閥側は国家経済に貢献する意思を示したともみられるが、朝鮮日報(9月21日付)は韓国の経済環境が上向いておらず「『空手形』だと見なすべきだ」と指摘。朴氏の経済の先見性を疑問視した。
経済や福祉の内政に問題が募ると、残る公約は南北の緊張緩和だが、急激な好転は期待できない。一方、改善の兆しがない日韓関係について、朴政権は8月15日以降ややトーンを下げていた。
だが9月30日、訪韓したヘーゲル米国防長官との会談で「歴史や領土問題で後ろ向きの発言ばかりする日本の指導部のせいで、信頼関係を築けない」と不満を述べ、早期の日韓首脳会談の開催を否定。日韓の外交筋の間からは「内政のひずみが対日に出たか」との見方も出ている。(ソウル 加藤達也)