中韓首脳会談で、親密ぶりをアピールする中国の習近平国家主席(左)と韓国の朴槿恵大統領=今年6月、中国・北京(AP)【拡大】
夢から覚めたら“多重苦”が…
一方、韓国の経済危機もかなり深刻化しているようです。これまで国家経済を引っ張ってきた巨大製造企業のグローバル展開に、たそがれが見え隠れし始めてきました。
もともと韓国企業は、高付加価値でブランド力のある商品を創造できないという積年の課題を抱えてきたのですが、中付加価値の汎用品の生産大国として、ウォン安の追い風も受けて価格競争力を発揮してきました。
そこへ、ウォン高への転換、北朝鮮の対外強硬姿勢と崩壊リスク、少子高齢化、グローバル化のつまずき、研究開発能力不足によるイノベーション力の欠如…などが一挙に多重苦となって、今、朴槿恵大統領を悩ませているのです。
自動車業界を見ると、現代・起亜グループは、まだまだ海外比率が低く(日本メーカーが実質70-80%に達しているのに対し、実質30%弱と想定されています)、しかも系列部品資材メーカーが極端に少なく脆弱であるため、日本の部品メーカーにまで供給を仰がねばならないなど、ほとんどグローバル展開が未完のままです。