法人住民税の一部を国税化するのは、来年4月の消費税率引き上げで、都市と地方の税収格差が一段と広がるからだ。消費税の税収は小売り販売の多寡で決まる。このため、大都市ほど税収が大きくなり、消費税率が上がるほど、自治体間の行政サービスの差が広がりかねない。財務省の試算によると、消費税率10%段階では東京都が4000億円の増収になるのに対し、島根県は90億円にとどまるという。このため、総務省は都市から地方にお金を移す仕組みづくりが必要と判断した。
自治体間の格差を縮める目的の税制は、2008年10月から、法人事業税を再配分する地方法人特別税が導入されている。同税については14年度にあり方を見直すことが決まっているが、財務省は同税を継続・強化する方向で検討する。総務省の検討会の報告書でも地方法人特別税について、効果が認められれば「存続せざるを得ない」と明記しており、年末の税制改正協議では、両省案を組み合わせた折衷案が最終的な落としどころになる可能性もある。
ただ税収の多い自治体からは早くも警戒の声が上がる。東京都の猪瀬直樹知事は25日の会見で「東京が稼ぎすぎるから地方税を国に寄越せと、ばかみたいなことを言っている」と反発。新たな仕組みづくりに向けた議論の行方は波乱含みだ。