しかし資源開発だけでは雇用に結びつかない。ロシア極東の人口は、この20年間で2割も減ってしまった。目立った産業が育たず、長大な国境線の向こう側の中国との人口格差は拡大する一方である。危機感を覚えたプーチン政権は極東開発を最重要課題の一つに掲げ、昨年ウラジオストクでアジア太平洋経済協力会議(APEC)を主催するにあたり、会場となったルースキー島の開発に取り組むとともに、1100メートルを超える世界最長の斜張橋ルースキー島連絡橋を建設した。
私の今回のウラジオストク訪問は、ルースキー島内の極東連邦大学の広大な敷地にある会議場で開催された「ロシア極東投資会議」に出席するためである。会議の主催者はロシア沿海州政府。ミクルシェフスキー沿海州知事は投資誘致に並々ならぬ意欲を見せていた。会議の直前に、プーチン大統領の肝煎りで作られた極東開発省の初代大臣イシャーエフ氏(元ハバロフスク州知事)は更迭されており、ミクルシェフスキー知事は成果を示す必要があるからだ。会議には中国から黒龍江省の省長、陸昊氏が参加していた。