【ビジネスアイコラム】
ロシアが来年2月、南部ソチで初めて主催する冬季五輪の聖火トーチを手に、ロシア人飛行士が宇宙空間を遊泳する映像を見た方も多いかもしれない。無点火の状態とはいえ、聖火リレーのトーチが宇宙に行ったのは「史上初」。五輪開幕まで3カ月を切り、ロシアではいよいよ国威発揚ムードが高まってきた。
ソチ五輪は2007年、当時2期目だったプーチン大統領が会場建設をほぼゼロから行う壮大な計画を打ち出し、招致に成功した。「白紙状態」を逆手に取り、黒海沿岸のスケート施設群と山岳部のスキー施設群を40キロ圏内に集約するコンパクトで快適な大会を訴えたのだった。大胆な五輪構想の根底には、ソ連崩壊の大混乱から「大国」として復活したロシアを世界に誇示する思惑があった。政権は、共産主義イデオロギーの消失でバラバラになった国民を愛国心で束ね、さらには大規模事業を地域振興につなげたいとも考えている。
だが、ソチ五輪が近づくにつれて明らかになるのは、国家主導の巨大事業がいかに合理性を欠き、非効率的かということだ。