ただ、コメの生産量の枠に縛られなくなった結果、農家がコメを作りすぎて価格が暴落する懸念は強い。政府は農家に適正な生産量を決定してもらうため、参考となる需給見通しを示す方針。加えて、これまでコメ生産の中心だった主食用米から需要増が期待できる飼料用米などへの転作を促す補助金も拡充する。
零細農家に打撃も
農地の大規模化が難しい山間地や高齢の零細農家が減反廃止で打撃を受ける恐れも否めない。政府が農地保全を目的に新たな補助金「日本型直接支払い」を創設するのもこのためだ。
農林水産省は補助金の見直し後、農業で生計を立てている世帯が多い集落の所得が全国平均で13%増えるとの試算を示しているが、これは飼料用米の生産が大幅に増えることが前提だ。山間地の農家の中には飼料用米の工場が近くになく、転作が難しい状況もある。
今回の政策転換がかえって国内農業の土台を崩す結果とならないよう、政府は今後、生産現場の動向を慎重に見極めていく必要がある。