特定秘密保護法案をめぐる与野党攻防が激しさを増し、臨時国会は最終盤を迎え、大荒れとなった。同法案成立に向け強気の姿勢を崩さない政府・与党に対し、慎重審議を求める野党側は足並みをそろえて反発。その余波で、参院本会議での他の法案処理は4日深夜から5日未明へとずれ込んだ。野党共闘は盤石だったわけではないが、民主党が徹底抗戦に出たため、与党と民主党の対立は先鋭化。国会は泥仕合となった。(坂井広志、小田博士)
4日夕、東京・JR有楽町駅前。野党7党の幹部が集結する中、民主党の海江田万里代表は特定秘密保護法案について「私たち7党は若干の違いはあるが、しっかりスクラムを組んで明日、明後日の間に強行採決させない」と声を張り上げた。
だが、野党各党の溝は「若干」とはとても言い難い。党首討論で海江田氏が特定秘密保護法案を批判すると、首相は猛反発。平成22年に起きた尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖の中国漁船衝突事件の映像公開を民主党政権が拒否したことを引き合いに「そもそも出すべきビデオを出さなかった。まずそれをはっきり申し上げたい」とやり返した。
首相が法案処理が立て込む会期末に、野党第一党党首である海江田氏を挑発するだけの余裕を持てたのは、野党連携の足元を見透かしているからだ。
海江田氏に続き、質問に立った日本維新の会の石原慎太郎共同代表は「首相の祖父の岸信介首相時代の1960年代の安保騒動に似たヒステリー現象が国会周辺で起きているが、時代の需要に即応した必要な法律だ。岸さんにまねて毅然と対処してほしい」と法案成立にエールを送った。
その瞬間、維新の松井一郎幹事長(大阪府知事)とパイプのある菅義偉官房長官の頬が緩んだ。石原氏は首相とハーモニーを奏でるように、中国漁船衝突事件の映像についても「腰抜けの民主党内閣が秘密として隠蔽した。愚かな大将は敵の武将より恐ろしい」とこき下ろした。