◆隣接する利点に注目
--AEC加盟に向けて、具体的にどのような対応を進めているのか
「ラオス政府は、すでに発展を遂げた他の(ASEANの)メンバーとの間で、多くの分野にわたる格差の是正に努めている。最優先で準備する必要のあることは主に3つある。ひとつは、国内労働力の技術・能力向上に努めることだ。次いで各分野での自由化を促進するための法整備が必要だ。そして、ASEANの輸出基準を達成するため、中小企業間の連携をはかり、技術力を向上させることだ」
--メコン5カ国の1国として、ASEAN統合に向けて最優先で解決すべき課題は何か
「ラオスは大メコン圏に立地している国のなかで、多くの課題に直面している。まず、解決しなければならないことは、交通インフラの整備などを通じ、ラオスがアジア地域および大メコン圏において、多くの国と隣接しているという利点を、より生かすことができるようにすること。2番目の課題は、ラオスの法整備をAECで統一された規律に合わせて進めること。そして3番目が労働者の技術を向上させ、AEC市場での競争力を増すことだ。4番目としては、統合する過程で大メコン圏だけでなく、ASEANさらには隣接する中国との間で、サービス分野の健全な確立が必要だ」
--ASEAN統合を進めるうえで、とくに日本に対して期待することは
「ラオスだけでなくASEANにとっても、日本からの科学的知識および最新技術の伝達が重要だ。また、多くの日本投資家が、ASEAN各国により一層、投資できるように、日本政府の投資促進策にも期待している。政治分野では、日本がアジア太平洋における平和および安全保障を維持するための役割を、今後も継続していくことを願っている」