2015年の東南アジア諸国連合(ASEAN)の市場統合を前に、新たな進出先として、ミャンマー、ラオス、カンボジアに対する関心が高まっている。なかでも、インフラの整備が遅れるミャンマーに比べると、中小企業などにとっては、経済特区(SEZ)整備で先行するカンボジア、ラオスの方が魅力的に映っているようだ。
◆特区整備で先行
「ミャンマー、ラオス、カンボジアは遅れて来たASEANの新興国」
中小企業基盤整備機構で海外進出支援を担当する名田繁則シニアマネージャーは17日、千葉市内で開かれた「ミャンマー、ラオス、カンボジア進出のチャンスとリスク」(京葉銀行主催、同機構共催)と題するセミナーで、メコンの3国への期待を語った。名田氏は3国がインフラの未整備などの課題を抱えているものの「その分、伸びしろは大きい」と指摘した。
さらに、名田氏はとくにラオスとカンボジアが、親日国といわれるミャンマーよりも、人口比では日本への留学生が多いことを紹介し、「日本との親和性が高い両国への投資は、良い結果につながるだろう」として、「ミャンマーの前に進出を検討しても良い国」と評価した。
一方で、名田氏は、カンボジア、ラオス両国に共通する課題として人材確保の問題を挙げた。両国はミャンマーに比べると、識字率がともに低い。工場では作業手順などを紙に張り出す必要がある。このため、進出企業の中には、就業時間終了後、工場労働者に読み書きを教えるなどしているという。