成田空港の訪日外国人旅行者数1千万人達成し記念のセレモニーが行われた。1千万人目の旅行者、タイから来たパパン・パッタラプラーシットさん(事業家・58才)は夫婦で3回目の訪日だった。記念品の目録を手に太田・国交相(左)らとくす玉を割るパパン・パッタラプラーシットさん(左から二人目)と妻のユパーダー・パッタラプラーシットさん=20日午後、千葉県成田市の成田空港(小野淳一撮影)【拡大】
日本を訪れた外国人客が20日、初めて年間1000万人の大台を突破した。同日夕に成田空港で記念セレモニーが開かれ、太田昭宏国土交通相が達成を宣言した。
1000万人目となったのは、タイから来た事業家のパパン・パッタラプラーシットさん(58)と妻のユパーダーさん(52)。2人が登場すると、くす玉が割られ、太田国交相らから記念品が贈られた。
政府は訪日客数を今年に1000万人とする目標を掲げていた。2003年に「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を開始した当初は10年までに1000万人を達成するのが目標だったが、3年遅れで実現した。これまでの年間での過去最高は、10年の約861万だった。
今年は、円安で外国人の訪日旅行に割安感が出たのに加え、7月からタイやマレーシアなど東南アジア5カ国の訪日客へのビザの発給要件が緩和されたことが追い風となった。尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる日中関係悪化で訪日客の減少が続いた中国も9月以降は回復が鮮明となった。
政府は成長戦略で訪日客数を2000万人とした上で、2030年には3000万人に増やす目標を掲げている。太田国交相は「きょうは歴史的な日になった。日本が元気になった」と語った。