脱穀後、籾は圃場で計量、袋詰めされ、ボートで精米所に運ばれる=13年3月、パテイン(筆者撮影)【拡大】
農家が自家採取を繰り返すために、このようなことが起こるのだが、根はもっと深いところにある。JICAの専門家によると、農業灌漑(かんがい)省農業研究局(DAR)が原々種種子(Breeder’s Seed=BS)を作る段階からこのような問題があるという。ミャンマーの種子フローはBS→FS(Foundation Seed、原種種子)→RS(Registered Seed、登録種子)→CS(Certified Seed、保証種子)の4段階である。RSまでは政府機関が生産し、CSは契約農家が作って一般農家に販売するという流れだが、もとのBS、FS段階で種子が純粋ではなかったのである。JICAプロジェクトは育種や栽培技術の専門家を派遣して、RSまでのフローを純化することに成功しつつある。ちなみに対象種子はすべて自家採種可能な種子であり、F1ハイブリッド種(一代雑種)は入っていない。
このように、少ない予算でミャンマーの主食であり貿易財でもあるコメの生産性を高め、さらに商品価値も上げて、農民から始まって精米所や貿易商までにも役立つ可能性のある本プロジェクトは、ミャンマー国民に大きな利益をもたらすであろう。