経済産業省によると、原発停止でLNGなどの燃料負担増は年間3.6兆円に達する。これが発電コストを引き上げて電気料金の上昇につながっている。日本の国富が1日当たり100億円も海外に流出していることになる。安全性を確認した原発について政府の責任で早期に再稼働させ、貿易赤字の拡大基調を食い止める必要があるのは当然だろう。
だが、問題はそれだけではない。円安によって期待ほど輸出が伸びていないことも懸念材料だ。政府関係者も「Jカーブ効果が表れていない」と首をかしげる。Jカーブ効果とは円安の進行で輸入価格が上がって貿易赤字は一時的に拡大するものの、時間差を経て円安によって輸出が伸び、貿易赤字は縮小に向かうことだ。アベノミクスによる大胆な金融緩和で円高が是正されて1年が経過しようとしているが、いまだに輸出は円安効果を生かせずに思ったように増えてはいない。
日本の輸出が伸びない要因は何か。それは輸出企業の海外移転で輸出が減少しているのに加え、移転先からの輸入が増えているためだ。すでに電機業界では液晶テレビやスマートフォンなどの製品は海外からの輸入が輸出を大きく上回っている。自動車業界でも国内生産を減らして海外生産を増やしている。このままでは日本企業が大きな貿易黒字を稼ぎだすことは難しい。