チューウィット党首は一風変わった経歴で知られる。名門タマサート大学卒業後、アメリカに留学。帰国後はバンコクなどで風俗事業を展開し、一時はタイの「風俗王」と呼ばれた人物だ。2005年に政界進出、反タクシン派とみられている。だが、小政党であるため、有権者が肉声を聞く機会はあまりなかった。タイの政治をめぐっては、タクシン元首相をめぐる対立以降、両派が互いに有利な発言を繰り返して相手を誹謗(ひぼう)中傷するケースが多く、理性的論理的な議論は少ない。そうした中での風俗業界出身の小政党党首による“真っ向発言”。これこそ、政争に飽き飽きしたタイの有権者が求めていたものなのかもしれない。(在バンコク・ジャーナリスト 小堀晋一)