中国の信託会社が組成し、最大手の中国工商銀行が富裕層向けに販売した総額30億元(約510億円)の高利回り金融商品にデフォルト(債務不履行)懸念が生じたものの、1月末の満期ギリギリになって“新たな投資家”が突然現れ、最終的にデフォルト(債務不履行)が回避される“事件”があった。
丸紅経済研究所の鈴木貴元シニア・エコノミストは、この信託会社がデフォルト回避を発表した瞬間、ほっと胸をなで下ろしたという。もし1月末に問題の金融商品がデフォルトしていたら、すでに通貨下落など不安定な状態にあったアルゼンチンやトルコ、南アフリカなどの新興国経済の市場マインドが一気に冷え、「新興国にデフォルト連鎖が拡大、中国発の世界同時株安や金融危機が起きても不思議ではなかった」からだ。
中国で金融当局の監督が及ばない「影の銀行(シャドーバンキング)」と呼ばれるハイリスク・ハイリターン型の金融商品の中で、元本割れなど債務不履行に陥ったケースはこれまでのところ表面化していない。