【海外進出支援の現場から】インド(4)工業団地選定 総合的コスト見て判断 (1/3ページ)

2014.2.18 05:00

開発主体により電力インフラが供給されるワンハブ・チェンナイ工業団地(アセンダス提供)

開発主体により電力インフラが供給されるワンハブ・チェンナイ工業団地(アセンダス提供)【拡大】

  • 堤洋平氏

 【問題】

 インドの自動車メーカーにタイからの輸出で部品を納入しているA社は先般、輸出からインド国内での現地生産に切り替える方針を決定した。工場用地選定のため担当者がインドに出張し、納入先近くの複数の工業団地を訪問したが、さまざまな開発主体が分譲を行っており、サービスや分譲価格には大きな違いがあるようであった。A社は、工業団地の選定にあたって何を基準に比較・選定するべきなのか、困惑してしまった。

 【対策】

 インドに進出する外国企業にとって工業団地の選定は、コスト予測の難しさから慎重に検討すべき課題のひとつである。

 工業団地内で提供されるサービスは工業団地によって違いが見られる。電力、上下水道などのインフラや付帯施設は一般に民間系工業団地のほうが整備されており、その分、価格も高い。これに対してサービスが不十分な工業団地では、分譲敷地までインフラ設備が通じておらず、自社での整備や関係当局との協議が必要なケースもある。その場合は操業開始までに期間、労力、コストを要する。

 また、インドでは急速な経済成長にインフラ整備が追いつかず、停電や断水が常態化している。電力の安定供給のためにはバックアップ用の自家発電機の導入が必要で、初期コストだけでなく操業コストも高くつく。

 土地収用時の補償内容が後に入居企業に影響を及ぼすこともある。インドでは政府が土地収用を行う際、住民への補償基準や生活再建に関する法令の不完備から、住民の了解を得られないまま低額で土地を収用するやり方が横行してきた。

 この結果、住民の事業反対運動や訴訟に入居企業が巻き込まれるケースも発生している。過去には大型製鉄所の計画が中止されたほか、住民への追加補償金の支払いをめぐって裁判で係争中の日系企業もある。

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