【TPP大筋合意断念】日米対立が最大の要因 互いに読み間違えて遅れ招く

2014.2.26 07:33

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 25日閉幕した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合では、日米の根深い対立が最大の停滞要因になった。交渉を主導するはずの日米の膠着(こうちゃく)状態が続き、交渉がいたずらに長期化する漂流状態になれば各国から責任を問われかねない。安倍晋三政権の成長戦略にも痛手となる恐れが大きい。

 甘利明TPP担当相は閉幕後の共同会見で、「日米両国が(協議を)妥結することが重要であると各国から話があった。合意に向けて努力する」と述べ、苦渋の表情を浮かべた。

 日米協議の遅れは双方の「誤算」が招いた結果だ。日本が関税維持を目指す農産品の重要5分野について、米国はほぼ全品目の市場開放を求めてきたが、「妥結を急ぐ米国は最終的に本当に日本に売り込みたい品目を絞り込む」(交渉筋)との見方があった。

 このため今会合直前の20日まで東京都内で事務協議を開き本音を探ったが、米国が原則論を撤回せず「お互いの出方を探る頭の体操に終わった」(交渉筋)。

 一方、米国が日本の国内事情を読み間違った側面も否めない。米国は今年に入り、USTRのフロマン代表らを南米や東南アジアの参加国に派遣。新興国との対立点を解消し、日本を孤立させる「包囲網」を敷き譲歩を迫る戦略だった。

 結果、今会合では難航分野の一つ「国有企業改革」で新興国と歩み寄りをみせたが、肝心の日米協議の遅れはかえって鮮明になった。「攻め」の姿勢を続けてきた米国が、「核心となる市場開放(の日米合意)を待っている」(ニュージーランドのグローサー貿易相)と背中を押される始末だ。

 日米の反目に他の参加国からは「交渉を引っ張るはずじゃなかったのか」との失望感も広がるが、安倍政権にとってTPPは成長戦略の大きな柱。交渉の失敗は「『アベノミクス』に期待してきた海外投資家からの評価ががた落ちになる」(経済官庁幹部)との恐れもある。日米が4月下旬に予定される首脳会談で交渉を再び軌道にのせることができるかどうかが、今後のTPP交渉の大きな鍵を握ることになる。(シンガポール 吉村英輝、会田聡)

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