2月の閣僚会合では、強硬姿勢を続けてきた米国が、国有企業改革など難航分野で新興国に一部歩み寄りの姿勢をみせ、交渉は「70~80%まで進展した」(甘利氏)。だが最難関の関税撤廃・削減を扱う「物品市場アクセス」では日米の意見の隔たりが埋まらず、他の参加国から「重要な核心部分について(日米合意を)待っている状態だ」(ニュージーランドのグローサー貿易相)と不満が漏れた。
このため日本は、4月下旬に予定する日米首脳会談までに協議を重ねて事態を打開したい考え。5月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合に併せてTPP閣僚会合を開き大筋合意を宣言するシナリオも視野に入る。
だが、最大の懸案である重要5分野の関税について落としどころは見えない。日本側は低関税率の特別輸入枠設定や、5分野を細かく分けた計586品目のうち一部で関税撤廃・引き下げに踏み込む譲歩案を用意。甘利氏は閣僚会合前から、「(日米が)互いにカードを切る」と述べ、譲歩案を提示しあう「歩み寄り」に期待してきた。
一方、米国は事務協議では一定の理解を示すが、USTRのフロマン代表が強硬に関税撤廃を主張し、譲歩案の提示さえもしていないのが実情だ。