政府が駆け込み広報を加速させる背景には、消費税増税の目的が、国民に十分に理解されていないことへの危機感がある。
「消費税増税は、どうしても家計負担が重くなるイメージが先行する」。政府関係者は口をそろえる。増税に伴う税負担が、社会保障の原資になるということには結びつきにくい。カルチュア・コンビニエンス・クラブが今月実施した調査では、2割近い消費者が、10%への再増税について「何がなんでも反対」と回答した。
内閣府は4月以降も、テレビCMを企画。小売りの店頭で増税分が価格転嫁されることへの理解を求めるなど、切れ目のない広報活動を展開する予定だが、これで国民の理解が進むかは未知数だ。
広報活動に詳しい上智大学の碓井広義教授(メディア論)は「政府広報には世代や地域、関心の有無を問わず、痛みを伴う政策を周知させる難しさがある」とした上で、「今回の消費税に関する広報は、『社会保障に使われます』という弁明に終始しすぎで、露出量よりも質の向上が求められる」と指摘している。(佐久間修志)