安倍晋三政権にとってTPPは成長戦略の柱で、漂流は大きな痛手だ。11月に中間選挙を控えるオバマ政権も、輸出拡大による雇用創出を重視する経済政策の「得点」を失うことになりかねない。
TPP交渉参加国は2月のシンガポール閣僚会合以降、「日米協議の結果を見極めようと交渉を中断してきた」(通商筋)。参加12カ国全体が5月12~15日にベトナムで首席交渉官会合を開く方向で調整する中、最大の停滞要因である日米が関税協議などの合意を先送りすれば「全体会合でも議論は進まない」(同)可能性が高い。
このため日米は、首脳会談で一定の成果を演出して全体交渉を再び妥結へと前進させるシナリオを諦めるわけにはいかない。残り少ない時間で溝を埋め、日米首脳が2国間協議の具体的な進展を示せるかが、TPP交渉全体の分岐点になりそうだ。