TPP日米協議、急転政治決断か 前進演出か (1/2ページ)

2014.4.23 19:35

東京都内のホテルで取材に応じるフロマン米通商代表(左)と、首相官邸を出る甘利TPP相=23日午後

東京都内のホテルで取材に応じるフロマン米通商代表(左)と、首相官邸を出る甘利TPP相=23日午後【拡大】

 24日の日米首脳会談では、両国首脳が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉をめぐる日米協議の対立点で大きく歩み寄る決断を下せるかが焦点になる。日米協議は日本の牛・豚肉など重要農産品5分野の関税の扱いや自動車分野で双方の溝が深く、主要論点で一致する「大筋合意」は困難な情勢。首脳の政治決断で事態が急転しなければ、交渉全体の早期妥結に向けた協議の進展を演出することになりそうだ。

 首脳会談に向けて、日米両政府は23日も、ぎりぎりの調整を続けた。同日午前にはオバマ米大統領に先立ち、米通商代表部(USTR)のフロマン代表が来日。午後に都内で甘利明TPP担当相と4時間半にわたり会談した。

 甘利氏は会談後、記者団に「(会談内容を)総理に報告した」と述べたが、内容は一切明らかにしなかった。フロマン氏は「TPPの経済的な重要性は明らかだ。交渉は重要な岐路に立っている」とし、「日本は大局的な観点に立つ必要がある」と譲歩を促した。

 一方、安倍晋三首相は23日の衆院農林水産委員会で、日米協議について「全て(の品目で)関税撤廃ではないという状況をつくりつつある」と説明。その上で「米側にもぜひ高い見地に立ってもらいたい」と一定の譲歩を求めた。

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