PPPを単純化した考え方の一つに「ビッグマックレート」がある。米ハンバーガーチェーンのマクドナルドがほぼ均一の品質で、世界各地で販売している「ビッグマック」の現地での販売価格をドル建てで比較する手法だ。
英経済誌エコノミストの今年1月の調査では、中国本土のビッグマック販売価格は為替レートで比較すると、米国よりも約40%安いという。
ビッグマックに限らず、物価は人件費や材料費など複雑な要因がからみあい、相対的にコストの低い新興国では安価になる。
ただ、人民元の為替レートは、中国当局によって意図的に安く抑えられているとの指摘がある。仮にビッグマックレートを単純適用すれば、中国のGDPは40%前後も膨張する計算になる。
世銀の報告書は、11年の世界全体のGDPを100として国別の規模をPPPで計算した。米国17・1%に対し中国が14・9%。これに続きインドが6・4%で3位となった。日本は4・8%で4位に後退している。ドイツ、ロシア、ブラジル、フランス、英国、インドネシアが続く。上位10カ国のうち5カ国までが新興国という結果だった。
一方、当の中国は「世界最大」との評価を喜ばないどころか、新華社電は「中国が世界最大の経済体になるって? (そんな話は)真に受けるな」と切り捨ててみせた。