他方、中国政府は、有頂天になると国内の低所得者や貧困層の不満に火を付ける恐れがある、と警戒しているフシがある。公式統計では、1に近づくほど所得の格差が大きく、0・4が警戒ラインとされる「ジニ係数」は、13年に0・473だった。だが専門家の間からは、いつ暴動が起きてもおかしくないレベルの0・501に11年に達していたとの厳しい指摘がある。
PPPにせよ一般的な為替レート比較にせよ、米中GDP逆転は、中国が崩壊しない限り時間の問題だ。だが国家や国有企業、中国共産党や政府の幹部だけが豊かになる問題はなお、闇の中にある。