第1に、品質効率と顧客満足を重視していることが挙げられる。開設から1年余りがたち、それぞれ利害関係にある、衛生福利部の中央健康保険署(局)、医療関係メーカー、医療サービス提供者、被保険者のいずれからも高い評価を得ている。
第2に、評価費用とコストの範囲をあらかじめ設定し、低いコストで医療技術評価を行っていることである。諸外国のHTAよりも格安でありながらも効果的であるという成果を挙げている。
第3に、台湾のNIHTAは全住民をカバーする健康保険制度の下で設置された公正な第三者機関であり、中央健康保険署およびその他機関の新薬適用評価などのサポートを目的としていること。このため評価結果は政策決定者にとって参考価値が極めて高いものとなっている。
第4に、長年にわたる中央健康保険署との協力を通じて構築された相互信頼メカニズムにより、NIHTAのHTA評価報告は、前述のDBCやPBRSが薬価審議など政策決定を行う際、重要な参考資料となっている。
先進国のHTA機関と比べて台湾のNIHTAは運営コストが低く、しかも数多くの恩恵と成果を得ていることから、低コストかつ効果あるモデルといえる。発展途上国の参考にもなるよう、その経験を分かち合いたい。
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【プロフィル】邱文達
1975年、台湾・中山医学院(現・中山医学大)医学部卒。米ピッツバーグ大流行病学博士、日本大医学部神経学博士。台北市立萬芳医院院長、台北医学大校長などを経て2011~13年、行政院衛生署長。13年から衛生署が昇格して誕生した衛生福利部部長(日本の厚生労働相に相当)。