取引時間拡大に向けた研究会の議論は混迷が深まり、日本取引所グループの斉藤惇最高経営責任者は難しい判断を迫られる(コラージュ)【拡大】
だが、研究会の委員19人のうち、証券会社など業界関係者は13人を占める。必然的に各社の立場や思惑が主張され、会合は毎回、議論が百出した。川村座長は「バトルロイヤルだ」と評したが、研究会はさながら証券会社同士の“利害闘争”の様相を呈している。
拡散する議論
当初、研究会の事務局である東証は、議論のたたき台となる試案で「夜間」案(午後9~11時)を提示した。「日中に取引できない個人の取引機会を拡大する」(松井証券)ことに加え、少額投資非課税制度(NISA)の開始などで関心が高まった個人投資家の囲い込みへの期待からだ。
だが、営業マンや店舗を抱える対面型証券が夜間取引に対応するためのコスト増は深刻だ。研究会では「個別の営業員と顧客が人と人でつながっている」として、2交代制による対応も困難だという意見が出た。また、既にある私設取引システム(PTS)の夜間取引規模は1日当たり10億円程度と売買高が小さい。売買量が増えなければ、大口の注文で株価が乱高下しやすくなり「公正さを欠く市場になる」(野村総合研究所の大崎貞和主席研究員)との懸念も根強く残る。