取引時間拡大に向けた研究会の議論は混迷が深まり、日本取引所グループの斉藤惇最高経営責任者は難しい判断を迫られる(コラージュ)【拡大】
代案として出された「夕方」案(午後3時半~5時)は、夕方市場を「別市場」と位置付け、株価の終値はあくまで午後3時とする。終値をもとに基準価格を算出する投資信託の業務に与える影響をなくす一方、時差のある香港やシンガポールの株式市場との取引時間の重複は増え、今よりもアジアの投資家に売買機会を提供できるプランだ。
だが、既存のPTSが営業する中で、東証が新たに別市場を作る意義がわかりにくいとの批判もある。
一方、コスト負担の軽い午後3時からの取引時間「延長」案(午後3~4時)も検討された。ただ、研究会では「少しの延長では、ニーズを十分に取り込んだ市場の提供にはつながらない」という意見もあり、3案には一長一短がある。
結果、東証の研究会が8月中旬までに出す予定の報告書では、「両論併記どころか、4論や8論になるかもしれない」(川村座長)といい、特定の時間帯を望ましいとする結論は出さない見通しだ。東証は、関係者の意見をある程度集約する思惑だったが、議論はむしろ拡散した。
根強い反発
こうした中で、大和証券グループ本社の日比野隆司社長は、「時間当たりの取引が減るだけ。社会全体のコスト増に見合う効果があるか、慎重に考えてほしい」と、拡大そのものに反対を表明している。