しかし、「理屈ではわかっても感情は別」(インクワイアラー紙)だ。アキノ大統領は安倍首相との首脳会談後の記者会見で、「第二次大戦中、わが国が被った惨劇を疑問視する人はいない。しかし、20世紀半ば以降、日本との関係は信頼と永続的な支援で形作られてきた」と述べたが、フィリピン国内にある複雑な対日感情に配慮したものであるのは明らかだ。
フィリピンやベトナムが日本の政策を支持するのは、自国にとって都合が良いからだ。19世紀の英国の首相、パーマストンが言った「国家には永遠の友も永遠の敵もいない。あるのは永遠の国益のみ」という言葉は、今も正しい。(編集委員 宮野弘之)