【アジアの目】元仏外交官 チェン・ヨ・ズン氏の視点 (1/3ページ)

2014.8.6 05:00

 ■日中関係に見る合従連衡の処世術

 米国の国力低下に伴い、世の中は乱世の始まりという様相を呈し、昨今のアジア外交情勢を俯瞰(ふかん)すると、中国の春秋戦国時代の合従連衡を彷彿(ほうふつ)させる。

 一方では、中国対日本、中国対東南アジア諸国、日本対韓国、日本対ロシアなどの領土をめぐる紛争、中国と北朝鮮との反目、中国・韓国対日本の歴史認識のいがみ合い、中国と台湾との長期対立、北朝鮮による全方向の脅威などが緊張を助長する。

 もう一方では、中国と韓国との急接近、日本と北朝鮮との和解の兆し、日本とロシアとの微妙な接近、そのロシアと中国との新たな親密さ、ベトナムとアメリカとの安全保障上の握手、東南アジアをめぐる中国と日本との勢力争い、そして中国の中央アジアへの勢力拡大など、今までなかった動きも見られる。

 ◆最も貪欲な大国

 世界最大の共産主義国家たる中国は「共産」とは名ばかりで、もっぱら「一党独裁維持」という「私利私欲」のためにのみ共産主義を標榜(ひょうぼう)しているだけで、その実は世界最大の、しかも最も貪欲(どんよく)な、資本主義大国である。たとえ、共産党一党独裁ではなくなり、多少は民主的になっても、13億人を養わなければならない事情に変わりはなく、今までと同様になりふり構わず経済成長や資源獲得に必死になるのではないか。

 こうしたなか、中国の脅威に備えたい日本の安倍晋三首相が、日米同盟強化を訴えつつ、進め方に問題ありとはいえ、集団的自衛権行使容認を決めたのはうなずける。そして、フィリピンとベトナムとの防衛協力を図り、オーストラリア、インドや西欧諸国との安保上の友好関係を築こうとするのもこの文脈では無理もなかろう。

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