台湾の澎湖島で7月下旬、トランスアジア航空機が墜落し48人が死亡した事故は、中国本土でも大きく報道された。事故原因の調査は現在も続いているが、悪天候に対する航空管制塔の管理能力、機長の操縦能力が問われ、慢性的な操縦士不足に悩む中国本土でもこの問題に注目が集まっている。
移籍トラブル多発
中国民用航空局(民航局)飛行基準司発行の「2013年中国民用航空操縦士発展年度報告」によると、13年末現在で登録されている民間航空機は合計3810機(うち貨物機は2179機)。これに対して操縦資格保持者は3万5505人。1機当たり操縦資格者8人を配置するという民航局の規定を満たしてはいるものの、そのうち副操縦士資格者は1万2522人、機長資格者は1万106人足らずだ。
管理職、地上勤務などを除けば一線で操縦を行う機長は資格者の3分の1程度しかおらず、機長不足は深刻となっている。特に最先端の大型旅客機を操縦できる機長が不足している状態だ。