一番の被害は中国の信頼に発生している
期限切れの食肉加工品を納品し、床に落とした製品を平然と製造ラインに戻し、期限を7カ月も超えたカビの生えた肉を使う-。日本をはじめ海外にも報じられた工場内の映像や様子は、中国の衛生管理意識に不信を抱かせた。
事件発覚の発端は内部情報を基にした上海のテレビ局、東方衛視台の潜入取材だ。当然、中国の安全管理制度の不備を指摘する報道も数多くあり、一般的な中国の消費者は工場の中で行われていた悪辣(あくらつ)な作業に嫌悪感を持っていることが見て取れる。
外資批判に向かった一部の報道で疑問に思うのは、食の安全で問題が起こるたびに、中国自身が一番の損害を受けているという認識が欠落していることだ。深刻なのは「メード・イン・チャイナ」に対する信頼がなくなっていることのはずなのだが。
外資企業の国内支店で問題が起こると、責任をその企業に転嫁しようという流れは、信頼回復には到底つながらない。